財団法人日本漢字能力検定協会が毎年発表している、今年の漢字。その年の世相を表す漢字一字に「偽」が選ばれた。清水寺の貫主が、巨大な半紙に「偽」と揮毫した後、大きく嘆息して「このような漢字が選ばれることは日本人の一人として恥ずかしい」旨の発言をしていた。
いつわる、や、ニセ、などと後ろ向きな意味に使われる漢字だが、これが選ばれた趣旨は、一年を振り返って食品の偽造問題が相次いだ事に違いない。「疑」という漢字も上位にエントリーされていたわけだから、「嘘偽りが蔓延する社会を眉をひそめて疑っていかなくてはならない」というのが世相ということなのだろう。なにも食に限った話ではないが、それにしても食品を取り扱う企業が長期に渡って消費者を騙し、利益をむさぼってきたことに怒りを覚える。到底「まぁ所詮そんなものですよ」とあきらめる気にはなれない。
企業を動かしているのは結局は人であり、人の心が正常に機能すれば、どこかの段階では歯止めがきいたのではないかと思う。もちろん、厳しい上下関係の中で、肯定も否定もなく従うだけの職場環境では声を上げることはできない。現場レベルでは変えられないこともある。しかし、もっと川上の上流の方では、もしかしたら誤りを是正できたかもしれない。「これはマズイことをやっているな」と思いながらも、みすみすやり過ごしてきた立場の人がいなかっただろうか。
これらの事柄の根底に、食をないがしろにし、ぞんざいに扱ってしまうような風潮が、現代飽食社会のどこかにあるような気がする。こんなこと思ったのは、話題になった「テラ豚丼事件」や、高校生がミクシィでバイト中にある昆虫に衣をつけて揚げたと書き込んだ「フライドゴキブリ事実無根事件」を耳にしたからだ。話題の中心人物≒現代人≒日本人全部、とはまったく思ってないが、こういうことを「面白い冗談」だと思ってる連中や、思わせてる連中が少なからず日本人の中にいるんじゃなかろうか。そういう風紀というか、世界観が定着しつつあったら大変だと思うのだ。
食に対する慎みのなさの表れ方が「利益重視だから」か「ふざけ半分で」というだけで、「これくらいなら」という油断が事件を起こしたという点で、これらのことはよく似ていると思う。「偽」や「疑」が世相を表す漢字だというのは確かに恥ずかしいが、これからは皆が一切の油断を排し、恥の上塗りをしないようにすることこそが重要だと思った。
「偽」について思うこと
コメント
単純に
「善悪」の定義・判断が出来ないだけだと思います。
でも「偽」っていう漢字はなんで「人」に「為」なんでしょうね。
「自分」に「為」なら意味がわかるんだけど。
なんか知ってる?
漢字をよく見ると、
「嘘」は、口から出て虚しいもの。
ってか、虚しいことを口にするのがウソですね。
「偽り」は、人の為す(なす)もの。
意味はきっと「人ってうそつき」でしょう。
ウソとイツワリはニュアンスが微妙に違うんですね。
- 2008/01/15(火) 14:22:55 |
- URL |
- ゴンゾー #-
- [ 編集 ]
「ため」ではなく、「なす」なんだね。納得です。
- 2008/01/30(水) 11:02:55 |
- URL |
- かずきんぐ #-
- [ 編集 ]










