| 逆転裁判4(通常版) (2007/04/12) Nintendo DS 商品詳細を見る |
待ちに待った逆転裁判4をプレーして感じたことを少し。ただし、最初にことわっておくと、立場としてはアンチではない。☆をつけるなら☆☆☆☆★。100点満点なら85点と評価している。
とりあえずクリアしての感想だが、個人的にはかなり仕事が忙しい時期に発売ということで、これはなかなかクリアできそうにないなぁ、と思っていたら思いのほかすぐにクリアできてしまったので、正直「意外にあっけなかったなぁ」という気持ちが残ってしまった。3のボリュームを考えると、あらゆる面で「痩せた」イメージがある。難易度もキャラの魅力も敵の悪辣さも存在感がなく、いまいちピントがずれたままの感情移入しかできずに気がついたらもう終わってた、っていう。
1が話題になり始めた頃からタイムリーに遊んできた私としては、4には若干求めていた刺激が足りないように感じる。続編の登場を長いこと待っただけにとても残念だ。少し立ち止まって「じゃあ求めていた刺激って何だろう」と考えてみるに、対立している強力なライバルを打ち負かしていく正義のヒーローであるところの主人公に感情移入して、自らの推理で矛盾を暴きだしストーリーを進めていくことの快感ではなかったかと思う。そして、その快感を盛り上げてくれるBGMも極めて秀逸で、私はその快感の片鱗を思い出すためにサントラCDを買って擦り切れるほど聞いたぐらいだ。
ひるがえって、法廷バトルと銘打ち弁護士対検事の構造でライバル関係を築き上げ、喧々諤々の論争を繰り広げてきたシリーズの流れの中で、今回の作品はあまりにも異質といわざるを得ない。勧善懲悪のヒーローは主人公ではないし、肝心のライバルも不在。ラスボスは極アクというより極アホだし、先にあげた快感を盛り上げるのに重要な意味を持っていたBGMがイケてなさ過ぎる。
もっとありていに心の声を言えば、逆転裁判なのに「逆転らしい逆転」がなかった。シリーズのコンセプトにもなっている名セリフの「発想を逆転させるのよナルホドくん!」みたいなシーンもなかったし、さらに言えば「弁護士は、ピンチのときほどふてぶてしく笑うものよ」みたいな窮地も、それをひっくり返すカッコよさもないんだよねぇ。
思うに、1・2・3と積み上げるようにシステム面やストーリーの深みを出してきた逆裁だが、4はどうやら3からの積み上げや延長ではなく、1の蘇る逆転からの続編といえそうだ。それも正当な続編ではなく外伝的な内容で、無理やり1〜3の後始末をつけた印象がある。そういう意味では「新章開廷」は言い過ぎであり、看板に偽りありといった感じがする。実際に新章が始まるのは5からなのだろう。もちろん5があればの話だが。
キャラ構築も新たに4からの出発で積み上げていくつもりのようだし、次回作に期待をかけるよりしかたがない。もう「せっかく面白いのに、なんでこうなっちゃったんだろう」とは思わせない5の発売が今から待ち遠しい。ただ、5について一人のファンとしてもし提案ができるものならば、やはり原点回帰を叫びたいところだ。本来の持ち味であった、「ウソを見破る快感」とか「窮地から逆転する感動」に焦点を絞って、短編でいいので1〜3の第1話だけを集めたような、そういう発想で新作を作れないものだろうか。
逆裁である以上やっぱり、救ってやらないとあまりにかわいそうな哀れな被告人を弁護しつつ、悪意丸出しでバレバレの真犯人をギャンギャン言わせながら小一時間問い詰めたい!と思う。そこをこれまた敵意丸出しのあからさまに嫌味な検事に陰湿に何度も何度もひっくり返されたい!だけど、それでもやっぱり正義は勝つんだと!真実は一つなんだと!もともと逆裁ってそういうゲームだったと思うのだ。見え見えのバレバレだと感覚的には思っていても、証言の矛盾点をつく証拠品を提示するというのには意外と骨が折れる。真相はだいたい想像がついているし、必ず真相にたどり着けるという有利な状態であるのにも関わらず、それでも簡単にはクリアさせてもらえない。「だからこそ面白い」と私は思う。「キャラ」なんてその面白さがあればあとからついてくるのではないか。そうやって「1」も生まれたはずじゃないか。そういう意味でも、4は初心を忘れ「らしさ」を失っている。追加要素はいらない。原点に帰ろうじゃないか。
これはクリア後さまざまなゲームレビューに目を通して思ったことだが、巧さんの考える「いつもの通りのいつもの逆裁を新しいストーリーで」って感じを大半のユーザーも欲しているように思う。逆に言えば、4について、それが何かを端的にはいい難いが、なにか色が変わってしまった、と多くのプレーヤーが思っているのである。製作チームがこれらのレビューにくまなく目を通しているかはわからないが、もし声を届けることが可能ならば、私からも是非こう言いたい。
「 異 議 あ り ! 」






