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吉村ゴンゾウあわー

自作のショート・ショートや読書感想などをアップしています。気負わず適当にやります。テーマは「中途半端を恐れない」。

私プロットの立て方

 プロットについて考えてみる。
 ショートショートの類だと、プロットに沢山の時間をかけるのはナンセンスだ。あらすじ並みにそぎ落とせるところは徹底してダイエットして、ミソであり核でありポイントであるところのトリックとアイデアをストレートに表現するのがショートショートだと思う。単純なプロットがそのまま小説のスタイルになったものでもあり、わざわざプロットを立てる必要もないだろう。
 しかし、小説はそうはいかない。プロットに関する本を読むと、小説にはある種の対立がなければならないという。物語の起こりと決着があって、そこにいたるまでのライバルとのせめぎあいがあり、葛藤があり、障害があり、それらが複雑に絡み合うことで、そこにスリルとサスペンスが生まれ、決着への期待が膨らむのだと。
 私の場合、物語の起こりの部分、主人公のおぼろげな設定から考えはじめる。そして彼がどこに向かうか、何を目的としているのかを仮に設定してゴールを決める。この時点では、小説のもつ裏設定としてのテーマはまだない。スタートとゴールだけがなんとなくあるだけである。そこから徐々に対立について考えていく。
 A地点からB地点まで歩いてゆく話があるとして、何の障害もなく普通に歩ききってしまうのであれば、それを小説にする意義はない。もうB地点が見えるところまで来ているのに、忘れ物を思い出して帰ることにでもしようか。途中で足を挫いて、歩くのを困難にするのもいいかもしれない。暑くて暑くて、のどが渇いたために寄り道するのはどうか。のどが渇いて飲み物を飲もうと思うが財布が見当たらない。いや、財布から最後のコインが転がりでてしまうほうがおもしろいかもしれない。それを追いかけているうちに、別のトラブルに巻き込まれるのだ。
 アイデアをつめるうちに、人物設定が浮き彫りになってくるかもしれないし、逆に人物設定から、おもわぬ新しいアイデアが生まれるかもしれない。地理や地形を生かしたアイデアも必要ならばつけれるだろう。
 ライバルの存在も重要だ。決着を阻止しようとする敵キャラである。なにかと嫌がらせをしてくる奴が、ひょんなことをキッカケに仲間になって、そのおかげで決着にいたるのも黄金パターンのひとつか。ライバルがいると話は俄然面白くなる。
 私の場合、ある程度話の筋が見えたところで、テーマを考える。さまざまな状況を考えた上で、この話ならこんなテーマが私らしいと思えるものをくっつける。ここでくっつけたテーマによって、あらすじは大きく書き換えられてしまう。そのテーマにそって、アイデアを修正したり加えたりすることで、本格的な骨格が見えてくる。
 素材が揃ったところで、いったんそれらの材料を個別に分断し切り分けて、並び替えたりくっつてみたり、捨てたり拾ったりしながら物語の進め方を決める。アイデアを効果的に出せるかどうかは、この作業にかかっていると思う。作業中に、自身でも思わぬトリックをそこから見出したり、予定していた決着とはまるで違う内容のエンディングが見えてきたりするから面白い。
 いきなり書き始めてそこに至ろうと思ってもかなり難しいと思う。ちゃんとした筋書きと地図を用意していても、描いているうちに意外なアクシデントが起こってくるのだから、準備なしでは迷走するだけだ。
 天才ではない私は、きちんとプロットを立てて考えに考え抜いた末に書き始めなければならない。ということに気づくまで、かなりの時間を費やした。身の程を知る、というのがこの稿に今与えたテーマである。

テーマ:日記 - ジャンル:日記

ちょっとした事件をもとに

 近しい知り合いが、帰宅途中に職務質問されたらしい。なんだか、近所で事件があったからだという。盾までもっていたというから、なかなかものものしい雰囲気だったようだ。意外と、職務質問されるなんて経験は、身近に転がっていない気がする。
 小説のアイデアを探していたので、ついでにここから物語が広がるか、実験してみよう。

職務質問された男

 男は帰宅途中に、警察に呼び止められる。黒い服を着た通りすがりの男が、いぶかしげにこちらを見て通り過ぎていった。いい気分ではない。これから帰るところであり、家もすぐそこだと説明したら、すぐに解放された。近所で通り魔殺人が発生したから、気をつけて帰るようにとのことだった。
 自宅マンションに入ると、上の階に住んでいる顔見知りのおばさんとばったりでくわした。こんばんはと挨拶したがおばさんはそれには応えず、顔を下に向けてあるかなしかの会釈をしたままその場から動かなかった。妙だな、と思うと同時にいやな予感が背中からじわりと広がっていく。階段を何となく駆け足で上がり部屋の前に行くと、向こうから扉が開いて見知らぬ男がでてきた。男は無表情に、こちらの家の方ですか、と質問しながら背広の内ポケットから警察手帳を見せた。予感は確信にかわりつつあった。しかし、万が一の可能性にかけて、家族の無事を祈った。男を尻目に扉をあけるとすぐ近くに実家の母が目頭を押さえて立っていた。彼女はふと顔を上げ、息子と目が会うと、突然大きな声で泣き出した。覆いかぶさってくる母を軽く押しのけ中に進むと、妻が呆けたように虚空に目を向けたまま床に座り込んでいた。その膝元には小さな布団が敷いてある。妻と夫が、かわいい一人娘のために、生まれてくるのも待たずに買った思い出の布団だ。そこに寝かされているのは無論娘に違いなかった。しかし、顔には布切れが被せてある。そんなことあるはずもないのに、別人であって欲しいと願いつつ、そっとその布切れをめくると、薄目を開けたまま眠る変わり果てた娘の顔があった。母がたまりかねたように、また声を上げて泣いた。妻も、どこをみているかわからない虚ろな瞳から一筋の涙を流した。
 なぜ。どうして。男は立ち上がって、部屋の外に飛び出した。さっきの男は、まだ部屋の前に立っていた。さっきよりは幾分か表情に同情が浮かんでいる。一体何があったんですか、そう口に出したが、こみ上げてくるものを抑えることができず、涙があふれてうまくしゃべれなかった。
 事件は、買い物目当ての主婦が往来する夕方の商店街で起こった。娘は大勢の目撃者の前で、突然命を奪われたのだ。妻が買い物袋を片手に、もう片方の手でベビーカーを押している。反対方向から自転車に乗った男が、片方の手をハンドルに、もう片方の手はポケットに入っている。男は黒いジャンバーにベージュのキャップ。すれ違いざま、男はポケットから包丁を抜き出し、ベビーカーの上に投げ下ろした。包丁はまっすぐに娘の胸を貫き鮮血に染まる。何が起こったのかわからないで戸惑う妻と周囲の目撃者をよそに、男はそのまま立ち止まることも振り返ることもせずに現場を自転車で走り去る。証言では、どちらかの足に支障があるのか、片足だけ強く踏み込む妙なリズムで自転車をこいでいたという。残されたのは頭を抱え絶叫し、娘を揺さぶり起こそうとする妻と、とうに絶命してピクリとも動かぬ娘。
 男はその一部始終をありありと想像して、思わず刑事の胸倉をつかんでしまう。犯人は、犯人はどこにいったのですか。無表情に戻った刑事は静かに首を横に振る。今、情報を収集中です。なぜ、なぜ!
 胸倉をつかむ手から力が抜けていく。警察はいったい何をしているのだ。警察は・・・。そうだ。男は刑事の目を見ているうちに、はたとあることを思い出した。さっき警察に呼び止められて職務質問をされた。そのとき、私の横を通り過ぎた男がいなかったか。私が警察に呼び止められているのを訝しげに見つめ、そそくさと通り過ぎたあの男。確かに、あいつは黒いジャンバーを着ていた。両手をポケットに入れて、私が職務質問されている横をうまくすり抜けていったあの男。少し引きずるように右足をかばいながら歩く後姿を確かに一瞬見届けた。そうだったのか。あいつが、娘を殺したのか!

身近にある問題

・規範の喪失


・大概の事件は大人の仕業。未熟な大人を誰が教育するのか。


・若者の間で起きている反社会的な問題のすべては大人社会からの連鎖である


・中高生の問題に大人が介在しないことの「冷たさ」


・自己の欲求の先にある他人の不幸


・努力しても報われない、不公平感


・「やればできる」は魔法の合言葉


・競争社会は勝者と敗者を生む。強者がいつも勝者とはかぎらないが、負けが続いた弱者は常に敗者となる。

経営者は孤独

 経営者は、社員や社員の家族の生活を支えている。給与を毎年少しづつでも増やすために、みなのために、一人一人のために戦っている。だから、全体のことや個人のことも考えて、言いたくないことも言わなくてはいけない。自分が雇った社員を駒に、儲けの出る商売を続けなくてはならない。 まず、考えなくてはならないこと。つまり、失敗はゆるされない。ただし、リスクを回避しているだけでは、戦えない。慎重に、正確に、そして確実に利益を得ていかなくてはならない。なにしろ、それが当たり前のこととして要求されているからだ。 倒産はもちろんだが、給料が下がった、ボーナスが減った、となれば、社員は不満に思う。社員にとって、そのすべては経営者の責任になる。経営者の手腕で利益を拡大し、給与が、賞与が増大しても、それは経営者のおかげであると誰も思わない。経営者は当然のことをした。我々が努力したから、それが報われたのだ、と社員は考えるだろう。 経営者は、社員のためを思って、小言をいい、叱責し、利益を上げるための指導を日々行っている。やればやるほど、社員にとっては、どんどん不満を口にすることができない相手になっていく。社員は経営者から教わったことを後輩に伝えない。経営者は何度も同じ話をして意思の統一、ベクトルの修正を行わなくてはならない。 社員は努力に対して、相応の評価をもらって報われる。経営者は誰に評価をもらえるのか。そもそも経営者は報われるのか。手塩にかけた会社を手放すときが必ずくる。望み通りの後継者ほど、得がたいものないだろう。または廃業というかたちの手放し方もある。遺恨を残さないことなどできるだろうか。 とてつもない大きな荷物を背負って、一人で戦い、誰からも誉められず、報われず、人手に渡る時がきて、肩書きを失ったときにこれまでに築いてきた人間関係をも失ってしまう。何のために、何のために経営者は、そのような世界に足を踏み入れ、何のために戦い続けるのか。 経営者は孤独だ。

愚痴を言う人

本当に努力している人は、そんな風に不満を語ったりしない。がんばっている人には目標があるし、戦っている相手は自分自身だからだ。だから本当に努力している人は夢を語る。怠けている奴にかぎって、もっと怠けようとして、そんな風に不満を語るのさ。