
こちらの画像は、私にとってゴールデンウィーク唯一の思い出の写真。
娘が原因不明の発作的な咳で弱ってしまい、私の連休のほとんどは娘の看病をして過ごすことになった。ようやく体調が回復し始めたのが5日で、ゴールデンウィークも最終盤の6日になってどこかに遊びに行こうということになったのだ。
とは言っても、体調万全ではない娘を連れての行楽となると、あまり派手なこともできない。しかし普段あまりできないことをしなけりゃ面白くない。そこで、ちょびっと足を伸ばして、奈良県に。久しぶりに借りたレンタカーをかっ飛ばして奈良は御所市に向かい、そこでちょっとした知り合いにご挨拶。それも「ここら辺で今時見ごろの名所なんかありませんか」と、地元住民に聞くためだったりする。
紹介してもらったところは葛城山。奈良県御所市と大阪府南河内郡千早赤阪村との境に位置する山で標高は959.2m。金剛生駒紀泉国定公園内にあり、北の二上山、南の金剛山とともに連峰をなしている金剛山地の山の一つだとか。
この山の何が見ごろなのかというと、葛城山南西斜面にある「一目100万株」と形容されるヤマツツジが咲いて、山が紅く染まるのがちょうど今頃というのだ。つつじで山が紅いとは、一体どんな感じだろうと思ったのだが、どうやらこのヤマツツジは本当に紅いらしい。聞いたところによると、ある日山を眺めていた人が葛城山の山頂付近の広大な面積が真っ赤に燃えているのを発見し驚いて駆けつけてみると、山火事ではなく自然に群生したヤマツツジの乱れ咲きだった、という逸話が残っているという。しかし一目百万株とはどれほどのものか。
ぐっとやる気の起こる話を聞かされて、私達は一路葛城山のふもとへ。葛城登山口駅からロープウェイで山頂にたどりつくと、季節が2ヶ月くらいさかのぼったかのようなひんやりとした気温。温度計を見ると13度というので、ふもとで半そで姿だったわたしもすぐさま長袖のシャツを羽織った。昼過ぎだったので、すでに山を降りてくる人たちもいる。そこで少し話を聞いてみると、「ちょうどあと一週間で開花するだろう」とのこと。今はつぼみばかりで「山火事かと見まごうほど真っ赤」には程遠い状況だという。それは確かに残念だが、来週はもはやゴールデンウィークではないし、開花直後はとんでもない混雑が予想されるというので、まあつぼみぐらいがちょうどいいじゃないか、と開き直っていざ山登り。
約15分ほど登ったあたりに茶店みたいなのがあって、そこで蕎麦をすする。そこからもう少し先に進んだあたりで、急に視界が下方向にバッと広がるとつつじ園だ。それまで木々に包まれるような山道をせこせこ歩いていて、あるとき頂点にたどり着いて急に視界が広がると、なんとも不思議な感動がある。ロープウェイで上まで上がったのだからもういいやとか、もうこの辺で引き返そうとか、どうせつぼみ程度のつつじなんでしょとか、もう全部ひっくり返しちゃって、歓喜がドバッと突き抜けるようななんとも言えぬ達成感。山はいいねぇ。と初めて思った。
大パラノマの壮大な景色に、人生の新しい発見がある。そう思えてならない。地面に座り込んで感じる山肌をなめるようにして通り抜けていく冷たくさわやかな風は、この日最大のご褒美だった。疲れ果ててたはずの私は高原を走り回り、急な斜面を転げ落ちながらも、なんとかそれでも早咲きのツツジ群を発見し撮影したのが下の写真。
帰り道は、先ほどの茶店でソフトクリームを買って、パクパク食べながら楽しい下山だ。ロープウェイで急速に下界に吸い込まれていくのを感じながら、また山に登りたいと久しぶりに夫婦で同じことを思った。











